「そういうことだったんだ」




さっき買ったクレープを食べながら、空はそう呟いた。




「だから、疑っちゃって悪いことしちゃったなぁって」


「でも私、あの子……それだけじゃないと思う」


「どういうこと?」




空には腑に落ちないところがあったのかな。


私は首をかしげて尋ねた。



それだけじゃないって、どういうことだろう。





「琴平先輩はあの子のことを幼馴染だと思ってるけど、あの子はどうかわからないよ?」



「それって……」





笹道さんが、陽介を好きってこと?


いや、でも、まさか。



さっきの笹道さんの態度を見てると、恋愛感情はなかったように見えるけど。





「あの子、多分“自分”を隠すのが上手よ」


「隠す?」



「そう。猫をかぶってるってこと」