空は私から陽介に視線を移した。




「俺は今日、苺綺と回るよ」



「そうなんですか」





空の瞳が、鋭くなる。


あ、そっか。

笹道さんのこと、空は誤解したまんまだったんだ!




「じゃ、じゃあ、空行こ。陽介、笹道さん、それじゃあまたっ」



「おう。
 俺らも回るか」


「うん。そうだね」





私は空の手を引っ張って、中庭を出た。


すると、空は私に顔を近づけた。鋭い瞳のまま。




「どういうことか、ちゃんと説明してよね」


「は、はーい」




なんか怖いよぉ。


私は文化祭を回りながら、空に説明した。



陽介と笹道さんの関係を。