「こいつ、誰にでもベタベタするんだよ」
「え?」
陽介は後ろ頭に手を回して、そう言った。
誰にでも?
「あ、ごめんなさい。つい……」
笹道さんは申し訳なさそうに、腕を離した。
な、なんだ。そういうことか。
人なっつこい性格なんだね。
私はホッと肩を下ろした。
「い、いえ!私こそ、変に誤解してしまって……」
やっぱり笹道さん、可愛い。
子犬のようだ。
守ってあげたくなるような、そんな子。
今まで疑ってた自分が恥ずかしい。
彼女はこんなにもいい子なのに。
「それより劇、よかったぜ」
「とても感動しました」



