「海」 後ろから私を呼ぶ声が聞こえ、振り返る。 そこには、大好きな人の姿が。 「陽介……」 そして陽介の隣には、知らない女の子がいた。 私は一瞬目を見開くが、すぐに平然とした表情になった。 「その子は?」 よかった、声震えていない。 大丈夫、大丈夫。 普通の、いつもの私だ。 「幼馴染の、」 「笹道 苺綺【ササミチ イチカ】です」 陽介の言葉を遮るように、笹道さんは自己紹介をしてくれた。 やっぱり、近くから見ても可愛いなぁこの子。