「にゃ~」
ふと、猫の鳴き声が聞こえ、顔をあげる。
足元付近に、校内探検の時に見つけた白い猫がいた。
「白嬢……」
そういえばあの日以来、会ってなかったね。
「久し振り」
私は白嬢の柔らかい毛を撫でながら、そう言った。
「にゃ~」
白嬢は私を見上げて、小さく啼いた。
もしかして、心配してくれてるの?
私はふわりと微笑んだ。
「大丈夫だよ、白嬢。私は、大丈夫」
自分に言い聞かせるように、白嬢に言った。
白嬢はその言葉に安心した様子で、白嬢を撫でる私の手に顔を寄せた。
可愛いなぁ。
癒される。
さっきまでの醜い心が、浄化されていくようだ。



