劇は、無事に終わった。 なんとか嫉妬心を抑えて、私は演技をした。 作られた表情の下の本当の素顔は、ボロボロだった。 泣いてしまいたかった。 私は劇が終わると、行き先を決めずに体育館を走り去った。 逃げたかった。 今の私は、醜い人。 疑ってばかり。信じていない。 最低だ、私……。 気づいたら、中庭に来ていた。 私は中庭でうずくまり、下唇を噛み締める。 こんなんじゃ、陽介の隣に立てないよ。 彼女なのに、本当に最低。 もっと陽介を信じなきゃなのに。