凪雲くんに背を向けて、言う言葉。
「ごめんなさ……」
い、と言い終わる前に、私はある人物を見つけた。
陽介と…………この前一緒にいた、知らない女の子の姿。
どうしてまた一緒にいるの?
どうして隣にいるの?
モヤモヤとした影が心を覆い尽くす。
「ごめんなさい。……私への想い、本当に嬉しかった」
私はなんとかセリフを言って、ステージから逃げた。
元々そういう演技をしろ、と言われていた。
だから、とても助かった。
あのままステージに立っていたら、演技、できなくなっていた。
陽介とあの女の子の姿が、頭から離れない。
嫉妬が、私の心を壊していく。
信じたいのに。
もどかしくて、空回る。



