「『この恋、賞味期限切れ』…?」
いつの間にか、海外の本が揃えてある棚から恋愛小説エリアへと移動していたみたいだ。
その本の題名を小さく呟き、私は後ろのあらすじへと目を移した。
恋が賞味期限切れなんて、おかしなタイトル。
好きだった男の子に振られた女の子が主人公の話だった。
『恋が甘いなんて、誰が決めたの?
私の恋は、おかしいの?
賞味期限が切れているのかな。
私の恋は、まったく甘くなんてなくて、切ないほど苦いの。
賞味期限が切れてしまった私の恋は、きっとこれからも甘くない。
それならいっそ、忘れてしまいたい。
だけど、忘れるなんてできない。
だってこれは、私の初めての恋だから。』
適当にめくったページに書かれている、主人公の女の子の言葉。
私はその言葉たちがなぜかすごく気に入って。
借りようかな、とまで思ったくらい。
だけど私は、本を棚に戻した。
今は校舎内を探検中。
本を借りている場合じゃない。
いつか私も、賞味期限が切れた恋をするのかな。
クスッと笑いながら私はそう思った。



