「海、早く行こっ」 「え、あ、ちょっ…」 空は私の背中を押し、そう言って急かす。 何かあったのかな? 私は、いつもと違う空を心配に思い、背中を押す空を見るため振り向いた。 「振り向いちゃダメっ」 「……え?あそこにいるのって……」 私は空を見る前に、ある場所で目を止めた。 あそこにいるのは―――陽介だ。 そして陽介の隣にいるのは………… 「誰?」 可愛らしい、女の子だった。 見たことのない、お人形さんみたいな女の子。 どうして陽介の隣にいるの? どうして陽介と、腕を組んでるの?