「あ、あのお店、寄ってもいい?」
「あそこって、メンズの物しかないよ?」
カフェを出た私は、ふと目にとまったお店を指差した。
空が言うとおり、その店はメンズ物ばかり。
「……あー、なるほど」
顔を赤くして黙り込む私を見て、空はニヤニヤとしながら呟いた。
どうやら私が考えていることが、わかったそうだ。
さすが空。
勘がいいんだから。
「じゃあ行こっか」
「うん」
空は私の手を引っ張って、気になったお店へ。
私は店内をキョロキョロ見渡し、陽介に似合うような物を探す。
時計がいいかな?
それとも、タオル?
靴とか服とか?
何がいいのかさっぱりわかんなくて、私はオロオロしてしまう。



