あたしはあわてて席を離れて、隆司様の前に滑り込んだ。 隆司様はニコニコ笑顔で、やっと見つけたよ、とあたしの頭を撫でた。 「隆司さ、……隆司先輩、あのう、そのう、こんなところにどうして?」 みんなが耳をそばだてて聞いているのがわかった。 隆司様はにっこり笑って、 「桃ちゃんに会いにきたんだよ」 と言った。 周りのみんなからは悲鳴があがった。