ガラ
「きりーつ、礼。」
先生が入ってくると号令がかかる。
「お願いします。」
何時ものようにまた授業が始まる。
退屈になりそう、先生の話長いし。
「今から遠足のしおりを配る。無くさないようにな。」
先生はそう言うと何かを配り始めた。
そんな先生に対してクラスメイトは皆、
「えー。」とか「…その日休もうかな」とかいう人が多々いた。
…ううん。
ほとんどのクラスメイトがブーイングしてた。
あたしは配られたしおりを見た。
「スタンプラリー?楽しそう。あとは、…何これ?学科対抗競技?」
「巳甘ちゃん、知らないの?」
隣に座っていた男の子、入江君が声をかけてきた。
「うん。なんなの?」
「その言葉どうりだよ。佐幕科にいる奴らと対抗して競い合うんだ。皆それが嫌なんだって。」
だから、晋作さんと龍馬さんと小十郎くんはあんなに嫌がってたってわけ?
「何するの?」
「んー、去年は鬼ごっこだったかな?」
鬼ごっこ?
「楽しそう!」
「巳甘ちゃん、男の本気の鬼ごっこだよ?あれは本当に怖いから。男の俺でもあれは怖かったんだからね。」



