ウェイターさんに案内された席は他の席と違って少し広かった。


「ご注文がお決まりでしたら呼び鈴を鳴らしください。」


そう言ってウェイターさんは何処かに言った。



「あたしはね、このベリーパフェとミートパスタにする。」



「じゃ、俺はコーヒー。」



「え?お兄ちゃん、それだけ?」



「昼が遅かったからな。それよりお前はメガネをかけてろ。一応お前は歌手なんだからな。」



「あ、そうか。すっかり忘れてたよ。お兄ちゃんありがと。」



あたしは鞄の中からメガネを出してかけて、髪を二つに結った。