こうなったら全部お兄ちゃんのせいにして沢山お菓子買ってもらうんだから!



「ねぇ君って土方先生の妹の巳甘ちゃんだよね?」



突然後ろから声をかけられた。



あたしは慌てて後ろを振り向くとそこにいたのは



「えっ…?あ!沖田先輩?もしかしてお兄ちゃんが言ってた男の子って…」



「僕の事だよ。さ、行こうか。またせてごめんね。」


沖田先輩は何の迷いもなく手を差し伸べてきた。



「えっと…」



これは手をとってもいいもんなの?



ここには小五郎さんいるって言ってたしもし見られてたら変な誤解を持たれる。



あたしが悩んでいると沖田先輩が顔を覗き込んできた。



「何?」



「この手は?」




「はぐれないように。ここは広いからね。」



「大丈夫です。はぐれないように前見て歩くので。」



「じゃあ僕は走って行こうかな?」



いたずらっ子のような笑顔で言う。



「…意地悪。」



あたしは沖田先輩から顔を逸らした。



大体今日始めて会った人と手を繋ぐなんて…



そんなことできないよ。



「じゃあ手を繋いでもいいよね?」



逸らした筈なのに沖田先輩の顔が目の前にある。



「うっ…。そ、それでも嫌です。もし校舎に小五郎さんがいたら……。嫌われてしまいます。」



何故だかいきなり沖田先輩が黙った。



沖田先輩に声をかけようとしたら逆にかけられてしまった。



「桂の恋仲のあの巳甘ちゃん?」