「な、何事?!」


なんか爽やかそうな先生だな…


なんて呑気にあたしは思っていた。


「いてて…。」


「あ、あの…大丈夫?」


あたしはあまり痛くなかったから急いで立ち上がってその男の子のところへと向かった。


「だ…大丈夫き。」


「すいません!うちの生徒が…!」


「いえ、いいですよ。それよりも授業中断させちゃいましたね…」


「いいですよ。もう終わる時間でしたし。」


キーンコーンカーンコーン


あ、ほんとだ。


「本当にすいませんでした。」


「だから、いいですよ。」


あ、先生の後ろにコッソリと教室の中へ入ろうとしてるさっきの男の子が。


「あの…後ろ。」


あたしがそう言うと先生は素早く後ろを振り向いた。


「坂本っ!後で職員室に来て。」


「そげなこと言わんでぇや。俺、鬼…ひ、土方先生からもよばれとるき…」


お兄ちゃんからも呼び出しくらってるんだ…


「土方先生の後に来て。」


「あーあ。サボらんかったらよかったぜよ…」


げんなりする男の子。


なんだか面白いかも…。


単純…?ってやつかな?


にしても、変わった訛り。


懐かしい…感じがする


「あの。あたしはもう行きますね。」


「お騒がせしてすいませんでした。」


「いえ。」


「もしかして学校見学してるんですか?」


「まぁ、そんなとこです。伊東さんに案内してもらってますよ。ね、伊東さん。」


「ええ、そうですね。では、巳甘さん行きましょうか。」


「う___「巳甘?伊東先生どういうことぜよ?」」


「龍馬君。えっと…」


龍馬…


この男の子さっき坂本って呼ばれてたよね?


ん?


坂本龍馬…


あ!


もしかして…


「龍馬さん?!」


「おまん何故俺の名前を……って、巳甘かぇ?」