「離してくれませんか?」
「あっ!すいません。」
あ、やっと離れてくれた。
よかった…
「あたしの事知ってるのですか?」
「多分…。かなり昔の仲間に似てるもんですから。お恥ずかしいお話ですが、僕前世の記憶を持って生まれたんですよね…」
そう言って男の人は頭をかく
「ならあたしと同じですね。」
「え?」
「最近全部思い出したんですよね。確かあたしの前世は江戸時代に生きてた蛇なんですよ。」
「江戸時代……蛇…」
「折角なんでお名前教えてもらってもいいですか?」
「もちろん、いいですよ。僕の名前は伊東甲子太郎です。僕も江戸時代にいたらしいです。」
伊東甲子太郎って…
まさか…そんなことってあるの?
「いいいいい…伊東さん?!」
あたしは思わず伊東さんに抱きついた。
「わぁ!」
「本当に伊東さん?」
「は、はい。そうですが…」
「久しぶり!わぁ…!偶然だね?!あたしはね、元蛇女の巳甘だよ!」
「……え?巳甘さん?」
「うん!」



