「mimikaさん!」
あたしの歌手名。
本名は流石にまずいから名前を作った。
あたしは呼ばれたからつい振り向いてしまった。
「mimikaさんは向こうの留学先で出会いとかありましたか?」
なんなの?
全く留学とか関係ないじゃない。
「いいえ、ありませんでしたよ。」
あたしは愛想笑いをしながらそう答えた。
もともとなかったんだし。
「では、そこにいるマネージャーと…ですか?」
「マネージャーとは何もありませんよ?」
少し笑そうになった。
それを堪えて平然と答えた。
「mimikaさんはそういうことに興味はないのですか?」
「勿論ありますよ。あたしは____」
"あたしは心に決めているたった1人の男の人がいるのです"
そう答えようとしたら
「肝心な質問はもう済んだのでもういいですよね?この後仕事が入ってるので。すいません。」
肝心な質問すらしてないけどね。
心の中で1人でツッコミをしていた。
あたしは吉田に手を引かれ空港を後にした。
「早く乗って。」
あたしは空港の外に用意された車に乗った。
運転手は吉田。
バタン
車に乗って発進した。



