「徹、ごめんね...」


夜遅くに電話をかけてしまったこと。

私のために時間を使わせてしまったこと。


寒い中、バイクを走らせてしまったこと。



色々なことに対し、謝る。



罪悪感にのまれ、顔を上げられずにいると



「杏奈、顔あげろ」



と言われ、恐る恐る顔を上げる。



徹、怒ってるよね。


そう思っていたのに、顔を上げた私の目に飛び込んできたのは優しく笑う徹だった。