お前は俺に甘えてろ



杏奈用のヘルメットと俺のヘルメットを持ち、バイク置き場へ向かう。



バイクを走らせること15分。



美術館に行く途中で、バス亭を見つけた。




でも、そこに杏奈の姿はなかった。



ーーーーは?あいつどこ行った?



まさか。

....さらわれたりとかしてねーよな?


最悪の予想が俺の頭の中を巡る。



と、その時。



「....と、おる?」


バス停の少し離れたところに、しゃがみこんでる杏奈がいた。




杏奈は俺を見つけた瞬間、走り寄ってきた。