幕末の狂い咲きの桜の下で…



龍馬と以蔵は驚き黒羽を見る。



「ほぉ。そういうことか。

嬢ちゃんが殺ったんか?」



びくりと上がる肩をすぼめ、一歩また一歩と後ずさるが



それとは逆に一歩一歩黒羽に近づく晋作。



場所は廊下のため2、3歩下がれば壁だ。



しかし、



『こ、これ以上来たら撃つっ______』



ガタガタ震える黒羽はピストルを構え戦闘態勢をとる。


「俺が桂に渡した奴だな。」



ニヤリと悪い顔をして、晋作は懐に手を突っ込み何かを持つ。



それを見た黒羽は腰の來蘭を掴み小さく名を呼ぶ。


周りはよくわからない状況に固まっている。



「お呼びかな?」



頭に響くこの声は來蘭だ。



『高杉を取り押さえて。』



顔つきが変わりいつもの黒羽ではない様子に周りは驚き、一,はハッとしたように黒羽に駆け寄り抱き寄せた。



この場で黒羽が妖刀を持っていると知るのは一,とかろうじて山崎と言ったところで、それが人となるのは誰も知らないが、一,は黒羽の小さな変化を見逃さなかった。




「御意」





返事が聞こえたと同時に來蘭ではない3つの何かが横を通り過ぎる。