幕末の狂い咲きの桜の下で…



「山崎。言い過ぎだ。」

「…」

「過去を聞いていたのならわかるだろう。」


「嬢ちゃんすまん。」

山崎もハッとし謝るが、


『いえっ慣れてますから。』

無理やりの笑顔にその場にいた者たちは胸を痛めた。

『ちょっと_______

か、厠行ってきますっっ___』

「黒羽っ」

龍馬が声を掛けるが駆け足で部屋を出た。

「お願いだ。これ以上黒羽を傷付けないでくれ。

これまで、本当に笑えなかった黒羽が少し一緒にいた壬生浪で本当の笑顔を少し見せるようになったのは事実だ。

感謝している。」

だが、と以蔵が続ける。

「こっちとしてはいつでもお前らを殺せる。

人斬りの名は伊達じゃない。」




その言葉でまた、緊張感のある空気へと変わる。

______が。

『え!?ちょっと誰?触らないでっ__________』


襖の向こうで焦る黒羽の声が聞こえる。

しかしどんどん遠のいていっている。


「黒羽!?」

以蔵が襖をスパンと開け廊下を見ると

「お〜岡田ー!久しぶりだな〜」

「黒羽に触るんじゃねぇ。」

そこにはテンションが高い南蛮風の着物を着た男が黒羽の肩を抱いて階段を下りようとしていた。