黒羽の過去を知って何も言えなくなった土方と一は黙り何かを考えている風だった。



しかし、その沈黙がまた、黒羽を怯えさせていた。



「黒羽。

こっちこい。」




以蔵が自分の膝の上をたたく。



鴨は行ってこいというように黒羽を立たせ肩を軽く叩いた。



膝の上にこいということなんだろうが、黒羽は以蔵に抱きついた。




「あっ以蔵ずるいぜよ。」

「おい、黒羽、気が済んだら俺のとこに戻って来い。」



とわちゃわちゃしだす三人(龍馬、以蔵、鴨)に土方が、



「つか、黒羽って何なんだ?


名前か?」

え、今それ言うこと?



みたいな顔をする龍馬、以蔵、鴨。



それに対して、一は



「そう、それ気になってた!!!!!!」



みたいに勢いよく顔を上げた。




『紅月黒羽。それが俺…私の本名です。』