「おぅ、土方。

顔が鬼のようだぞ?」


黒羽は俺の後ろから覗くように土方を見て、

俺は懐から鉄扇を取り出して鉄独特の音を立てながら開く。


「…取り合えず何を話していたのか聞こうか?」


さっきより一層眉間にしわを寄せた土方は襖を閉め部屋に入り胡坐をかく。


新見はというとブスっとしながら俺の近くに座った。


『にーみ、ごめんね?』


「いや別に…」


黒羽の謝罪に一気に機嫌を治す新見にペシッと叩く。


かわいい黒羽の頭撫でおって…


クソ新見が←


「…特には話していない。

というより土方、お前に話すことなんてない。」


立ったまま言う俺は後ろにいる黒羽を抱きかかえ続ける。


「俺の部屋で斎藤が待っているんだ。

俺らは行くぞ。」


襖を少し開けたところで、

『土方さん、知りたいのなら着いてきてください。』


そう発した声は少し震えていて

黒羽が俺をギュッとするので

そんな黒羽の頭をなで部屋を後にした。



鴨サイドend