『あんた、殺る気あんの?
ないんだったら…
死んでくれる??』
音もなく刀を振り目の前の男が倒れる。
一,が黒羽を見て目を見開くのをみたが、黒羽は
『よそ見してると…
死にますよ?』
口元は弧をえがいているが目はギラリと光っていて不気味だ。
一,は思わず息を飲み不逞浪士を切り捨てた。
「玖龍。
お前、大丈夫か?」
不逞浪士が片付くと斎藤は心配そうに俯く黒羽を覗き込むと。
『何、これ。』
今までのことを覚えてないかの様に転がる死体を見つめる。
『うっ_______!』
始めて死体をみた黒羽にはキツかったようでその場に座り込み嘔吐する。
一.は黒羽に駆け寄り、背中をさする。
「玖龍おまえ…」
少し落ち着いた黒羽は一,のほうをちらりと見やり、
『すみません』
怯えたまなざしで黒羽は謝ると、
そんなことはどうでもいいと言い黒羽を抱きしめる。
一.の行動に黒羽は驚きながらその場では龍馬と以蔵と一緒に居た時のように少し甘えて擦り寄った。
…その後の記憶はない…