ハッと我に返る…だが、
『ふぁあ!』
口を塞がれているため喋れない。
怖さのあまり、
黒羽の目からは涙がこぼれ落ちる。
《あ〜っ來蘭泣かせた〜》
紅色のトラが英語で言う。
そう言われた來蘭と言われた男は
眉間に皺を寄せて黒羽の口から手を離す。
『え…』
黒羽は怖いという感情を持ちながら、
なんで日本語を喋る袴の男が外国のトラらしき動物が喋る英語がわかるのか疑問に思った。
「あぁ…こいつら、日本語も話せるから英語、外国語は習ったんだ。」
と言った。
この人読心術できんのかな?
なんて思った黒羽
でも人に敏感なのはかわらない。
『貴男達は…』
肩を震わせながら必死に聞く