―キュッキュッ。体育館に鳴り響くのはバッシュの擦れる音。 シュパッ。シュートが決まる度に聞こえるこの音。 「ダッシュ!」 監督の大きな声。すべてがもう馴染み深い物になっていた。 「みちるちゃん、ジャグ用意してくれる?」 「はい!」 高校2年生になって、やっときた夏。 あたしは、バスケ部のマネージャーをやってる。