ほんのひととき






あたしはまた、人が信用できなくなってしまった。
こんな、社会の生ゴミなんて消えてしまえばいいのに。
あたしなんて生まれてきても、なんの価値もない。
周りが悪いんじゃない。
騙されたあたしが悪い。
浮かれて、調子に乗ったあたしが悪い。
また、少し前の自分がぐるぐる、ぐるぐる、右往左往して。
よからぬ事まで考えて。

「いっその事、本当に消えちゃえば良いんだ。」

生きるってどういう事なのか。
生きてるって実感なんて、これっぽっちも無かった。
ただ、そこにいるだけ。
何もしないでいるだけ。
そんなの、人形と同じ。
だったらいっそ…。
そう思った。

あたしが手に取ったのは、長いタオル。
首に巻いて、後ろで縛る。
手が震えた。
だんだん苦しくなっていく事に、感動した。
長いタオルごしに伝わってくる、自分の脈が、あたしに訴えた。



「馬鹿な真似はするな。」