「南〈みなみ〉さん、ご飯ですよ。」


ナースさんがご飯を持ってやってきた。


でも、食欲がない。

食べても吐くだけ。


「いらないです。」


「でも…一口だけでも?」


「お水飲みますんで大丈夫です。」


「……わかりました。


では、お薬は飲んで下さいね。」


「…はい。」


この薬を飲めばまた、吐くのだろう。


髪の毛が抜けるのだろう。


これを飲んだって助からないのだろう。


そんなことわかってる。


わかってるのに…


ーゴクンっー



私は今日も薬を飲むのだ。