誰かの声が聞こえた気がしたけど、それは最早、現実のものか夢の中のものかも判断がつかない。 私の頭を優しくなでてくれる感覚も そっと、髪をとく指も 夢か、現か。 「……おやすみ」 ──やがて 朝の光に瞼を震わせ目覚めれば 雨はもう 上がっていた。