夏休みも終盤に差し掛かり
夏祭りに向かう.


波留は,一生懸命佐伯…遊くんを探す.
誘われたことを伝えた時は,なんで断ったのって怒られたっけ.


「あ!!!いたよ!!」

指で遊くんを指す.
遊くんの友達が私たちに気付き遊くんの肩を叩く.

少し下を向く私はチラッと顔を上げる.
自分で顔が赤くなるのがわかる.
だって,あんな笑顔反則…。


「浴衣,似合ってる」

と聞こえるか聞こえないかってぐらいの声で呟く遊くん.
恥ずかしすぎて顔を見れなかった.

だけど,あまりにも声が優しくて
私の胸は温かい気持ちでいっぱいになった.