小さな公園につくと
「紗南,目つぶって」
と初めてみる遊くんの男の子って表情で言われドキッとした.


それから,目をつぶり立ちすくす.
その沈黙と時間が恥ずかしく目を少し開ける.

遊くんの顔のすぐ近くにあって
私はまた目を閉じた.


そして,柔らかいものが口に当たった.
その時間がすごく長く感じた.


でも,幸せだった.


帰り道,私からもひとつお願いをした.

「別れないでね」と.


「当たり前」と遊くんはほほ笑んだ.