恵麻はビックリするくらい力が弱かった。


本気で抵抗してるのか

もしかしたら内心受け入れてるんじゃないか

とすら思えた。



あまりにも簡単にあっさりと

恵麻の笑顔は壊れた。




「さいってー!葵なんてだいっきらい!」



思い知ったか。


俺以外の男のことなんて考えんな。


感情の種類なんてなんでもいい。


毎日俺のことばっか考えればいい…




「おい…葵、大丈夫か?」


「ヘーキ。」

















違う。


泣かせるつもりなんてなかった。


キスまでするつもりもなかった。




こんなにも溢れだして止まらない自分の感情を


その日初めて知った。