その甘い仕草にクラッとする。 「俺、長い方が好き。」 「へぇ~…」 「同窓会のときみたいにまた巻いてきてよ。」 「あれ時間かかるから、朝苦手な私には毎日は無理かも。」 「…………」 「? 葵?」 フッと空気が変わった気がした。 あ、この感じ 心臓が内側から私を叩く。 私の髪が葵の唇にそっと当てられた。 その瞬間全身が心臓を中心に縮まった。 からだ全部で葵だけを感じているように 私の体温は一気に上昇した。