宙子は、椅子に座っていて良かった、と思った。



立っていたら、ヘナヘナと床に座り込んでしまっただろう。



力が抜けた。




高橋が、(ほら、言っただろ?)と言った顔をしてアイコンタクトしてくる。



「なぁんだ、妹か!やけに仲良しだったから彼女かと思ったぜ。」



高橋が言う。



「違う違う!

あー恥ずかしい。

あいつなんだか知らないけど、俺の事すごい好きなんだよね……」



「まぁこの照れてもイケメンじゃあ、誰だって好きだわな。

あたしもきゃわたんな妹見たかったなー。」




郷愛が椅子に寄りかかりながら言った。



「シスコンかよイケメーン!」



高橋も茶化す。



「どちらかと言うとあいつがブラコンなんだ!!」


言い返す陽翔。




珍しくムキになっている陽翔に宙子は笑ってしまった。




(良かった……ほんとに親族、と言うよりも妹だったんだ。

ありがとう高橋。)



後で何かお礼しなきゃな、と思いながら宙子は陽翔とじゃれている高橋を見た。