「うん、わかった。ようちゃん、頑張ってきて!」 奈緒はこぶしを開いて小さく左右に振った。 「じゃ、行ってくるわ。」 男子高生は奈緒の頭に手をぽんと置いた。 「いってらっしゃい」 奈緒の言葉を背に男子高生は駅の改札に入り、軽く右手を上げた。