幼馴染みの花蓮が死んだ。

心臓発作らしい。



吉塚駅の手前で倒れてたらしい。

秀太はこのことを知らない。









2021年9月1日。
花蓮の死から三年たった。

今日は花蓮の家に集まる。

早く起きなきゃ…


「こらーーーー!陸、いつまで寝てんの!?
今日は花蓮ちゃんのとこ行くんでしょーー?早く支度しなさーい」


ムク…



8時50分…か、


支度しよ、



ガラッ


俺は居間の麩を開けた。

「陸、ご飯早く食べちゃって。
片付かないから」


母さんは毎日忙しそうにしている。
せっかちなのかもしれない。

「ごめん、朝飯いらない。
思い出しちちゃって、食べる気分になれないから…
もう行くねー」

「あっ、ちょっと!陸!!!」


俺は呼び止める母を無視して花蓮の家へ足を進めた。