わ、私……恥ずかしい。 「な、何でもありませんよ!」 「じゃあこの手は?」 ニヤッと怪しい笑みを浮かべる先輩。 うぅ……これはイジワルなスイッチが入ってしまったみたいだ。 手を離してもらおうと、掴まれた手を引っ張っても逆に引っ張られてしまう。 「きゃっ」 そのまま大きい道を外れ、狭い抜け道に入る。 そして塀を背に先輩に詰め寄られる。 「みんな通るあの道で陽菜ちゃんは何をしようとしたのかな?」 「え、っと……」 きっと気づいてる。 気づいてるのにあえて私に言わせようとするなんて。