周りからはキャーキャーと女の子の高い声が響いている。 少し驚きながらも、これは競争だから早くしないとって思い、奥村先輩の手をとる。 「きゃっ」 「走るよ」 手をとってすぐに、その手をグッと引っ張られる。 そのままゴールに向かって一緒に走る。 周りからは冷やかしの声や、女の子の悲鳴に似た声が聞こえる。 奥村先輩は校内1のイケメン。 だから、注目されるのも仕方ないよね。 「誰あの子ー?」 「1年?」 先輩らしき女子生徒の声が私の耳に届く。