「本当に…ごめんなさいっ…!」

そう言って謝る桐生さんの目に、

微かに光るものを見つけて声をかけた。

「…いいよ」

「え…」

桐生さんは私の声にゆっくり顔を上げる。

「酷いことされたけど…でも許すよ。
でもこれからはもうしないで。
堂々と戦って?」

そう言うと桐生さんはうんっ、と頷いた。

「…じゃあ…ライバルね?」

「え」

桐生さんの言葉に思わず声をあげる。

すると桐生さんは私の耳にこそっと囁く。

「…好きなんでしょ?あなたも東城君のこと」

「なっ…そんなこと!」

「あら自覚してないタイプ?
そんなことしてたらほんとに取るわよ?」

桐生さんはそう言うと

身を翻してドアの方に行く。

「覚悟しててねっ」

そう言うと去って行った。