シンデレラに恋のカクテル・マジック

 言い訳するように早口で言う菜々を見て、永輝がふっと笑みをこぼした。

「それじゃ、お言葉に甘えてそうしようかな」
「あ、ありがとうございます!」

 菜々はドキドキしながら立ち上がる。

「あ、あの、父のパジャマをお貸しします。新しいのがあったはずなんです。それで、あの、バ、バスルームはあっちです。タ、タオルはこれを……」

 菜々は和箪笥を引っかき回して、父のパジャマを取り出した。それからフェイスタオルとバスタオルとともに永輝に差し出す。

「ありがとう。じゃあ、先にシャワーを借りるよ」
「は、はい」

 永輝がタオルとパジャマを受け取ってバスルームへと向かった。その大きな背中を見ていると、菜々の心臓が暴走し始める。

(わ、私、なんかすごい大胆なことを言っちゃった? どうしよう! でも……)

 まだ一人になりたくなかった。というより、彼にそばにいてほしかったのだ。

 やがてシャワーを終えて、紺色のパジャマを着た永輝が、タオルで髪を拭きながら出てきた。

「ありがとう、さっぱりしたよ」
「あ、い、いえ」