シンデレラに恋のカクテル・マジック

 菜々が声を上げた直後、エイキが落ちてきたボトルの底をすくうようにしてティンで受け止めた。ホッとするまもなく、今度はボトルを持った右手を体の後ろに回し、背後から投げ上げた。落ちてきたボトルが、彼が体の前で構えたティンに吸い込まれるようにすとんと収まる。そうして彼はボトルとティンを軽やかにジャグリングし始めた。彼の体の前で、後ろで、肩の上で、頭上で、ティンが、ボトルが、軽やかに飛び回る。

(何、これ!)

 菜々は思わず目を輝かせて、エイキの動きを見つめた。曲に合わせて彼がボトルとティンを交互に投げ上げながら、その場で一回転してみせる。

「わあ!」

 彼が手の甲にボトルを乗せ、リズムよく跳ね上げたかと思うと、回転しながら落ちてきたボトルを今度は肘で跳ね上げる。そうして落ちてきたボトルのネックを右手で難なくキャッチすると、淡い蜂蜜色の液体をティンに注いだ。そのままボトルをカウンターに置いて、今度は別のティンを取り上げ、手のひらの上で回転させたかと思うと、二つのティンを同時に投げ上げた。

(こぼれるっ)