シンデレラに恋のカクテル・マジック

「んー、難しい!」

 悔しがる菜々を見て永輝が楽しそうに笑う。

「そんなに簡単にできるようになられたら、俺の商売あがったりだよ」
「えーっ、もう、悔しいなぁ!」

 菜々は落としたボトルを拾い上げたとき、ショーで見た永輝の技から自分にもできそうなものを思い出した。

「永輝さん、フレア・ショーで肘にボトルを乗せてバランスを取ってましたよね。あれは何て技なんですか?」
「これかな?」

 菜々に訊かれて、永輝が水平に曲げた肘の上にボトルをのせて、バランスを取った。

「はい」
「これはイングランド・エルボー・バランス。で、このまま肘の上でバウンドさせる技はイングランド・エルボー・タップ」

 永輝がボトルをひょいと跳ねあげ、菜々の心臓がヒヤリとする。

「ひゃっ」

 永輝が何度かタップを繰り返して、レギュラー・グリップでボトルをキャッチした。

「落とすと思った?」

 ニヤリとされて菜々は首を振る。

「いえ」
「菜々ちゃんもやってみる?」
「はい!」