シンデレラに恋のカクテル・マジック

「一秒でも早く菜々ちゃんからあいつを引き離したかったんだけど、どうしても証拠がほしくてさ。ほら、今までの会話、全部サンドリヨンの留守番電話に録音されてる」

 永輝に携帯電話を向けられ、一臣があわてて手を伸ばして菜々の電話を奪い取ろうとした。だが、それをひょいとかわして永輝が言う。

「あんたが孫娘の夫という地位ほしさに菜々ちゃんを拐(かどわ)かそうとしてるって、葛葉社長に教えてあげたら、いったいどうなるだろうな」
「しゃ、社長がおまえのような男の言葉を信じるはずがない」

 一臣が永輝を見返したが、鋭い眼光にぶつかって目を泳がせた。

「ここに動かぬ証拠があるのに? 聞きたいなら再生してやろうか? 菜々ちゃんの俺への愛の告白のところから」

 永輝に言われて、一臣が歯ぎしりをした。

「そ……それだけは……」
「それが嫌なら、今まであんたがしたことを菜々ちゃんに話せ。俺と菜々ちゃんの仲を裂こうとして、あんた、何をしたんだ?」

 永輝に睨まれて、一臣は引き結んでいた唇をゆっくりと開いた。