シンデレラに恋のカクテル・マジック

「永輝さんっ」

 菜々はベッドから跳ね起きて彼の胸に飛び込んだ。永輝が彼女を抱き留めて言う。

「昨日の朝、菜々ちゃんに電話をもらってから、俺からも何度か電話をかけたんだ。でも、ずっと着信拒否されて、おかしいな、と思っているところに、今日、葛葉社長の秘書を名乗る男から、〝菜々ちゃんがサンドリヨンを退職したがっている〟って連絡があった。菜々ちゃんと話をさせてくれ、と言っても、菜々ちゃんが俺と話したくないと言っている、の一点張りでさ」
「私、着信拒否なんてしてない! 退職も祖父が勝手に決めたの!」

 菜々は永輝のジャケットにしがみつき、彼を見上げて必死で言った。

「わかってるよ。菜々ちゃんがそんなに簡単に心変わりをするなんて思っちゃいない」

 彼がニッと笑って答えたが、菜々は永輝の電話に女性が出たことを思い出した。彼のジャケットから手を離して言う。

「でも、永輝さんは違うんでしょ? 永輝さんの番号にかけたら、女の人が出たもの……」
「携帯見せて」

 永輝に言われて、菜々はベッドの上に転がっていた白い携帯電話を取り上げた。それを受け取って永輝が言う。