「フランスから帰国して、主人と初めて一緒に考案したレストランがあるの。あなたとぜひそこで食事をしたいんだけど、叔母さんのワガママを聞いてくれる?」
由香里が手で示した先にあるのは、白壁に黒木の柱という一見すると日本料理店のような店だった。
「フレンチと和の融合をコンセプトにした肩の凝らないレストランを目指したのよ」
由香里の口調には誇らしさと照れが感じられる。
「叔母様がご主人と考案したなんてステキです! 行ってみたいです」
「よかった」
入り口のスタッフは由香里を見てヤナイ・コーポレーションの社長夫人であると認識したようで、二人を奥まった個室へと案内してくれた。掘りごたつの部屋で、暗めの照明がシックな雰囲気を醸し出している。
「よく来るのよ。きっとスタッフも料理人もいつも気が抜けなくて大変でしょうけど」
由香里が席に着いて、いたずらっぽく微笑んだ。
「でも、落ち着いてゆっくり食事ができそうですね」
永輝さんと来てみたかったな、とつい考えてしまい、胸がズクンと痛んだ。叔母といる今だけでもその痛みを忘れようと、菜々は懸命に笑顔を作った。その笑顔に答えるように、由香里も微笑む。
由香里が手で示した先にあるのは、白壁に黒木の柱という一見すると日本料理店のような店だった。
「フレンチと和の融合をコンセプトにした肩の凝らないレストランを目指したのよ」
由香里の口調には誇らしさと照れが感じられる。
「叔母様がご主人と考案したなんてステキです! 行ってみたいです」
「よかった」
入り口のスタッフは由香里を見てヤナイ・コーポレーションの社長夫人であると認識したようで、二人を奥まった個室へと案内してくれた。掘りごたつの部屋で、暗めの照明がシックな雰囲気を醸し出している。
「よく来るのよ。きっとスタッフも料理人もいつも気が抜けなくて大変でしょうけど」
由香里が席に着いて、いたずらっぽく微笑んだ。
「でも、落ち着いてゆっくり食事ができそうですね」
永輝さんと来てみたかったな、とつい考えてしまい、胸がズクンと痛んだ。叔母といる今だけでもその痛みを忘れようと、菜々は懸命に笑顔を作った。その笑顔に答えるように、由香里も微笑む。


