シンデレラに恋のカクテル・マジック

「柳井の仕事がフレンチ・レストランの経営だってことを思い出したとき、同時に出国前に彼に言われた言葉を思い出したの。〝僕とは電撃的に恋に落ちることはできないかもしれないけれど、僕は由香里さんと家族としての絆を、そしてできれば愛を育みたいと思っています。形から入る家族があってもいいのではないでしょうか〟って……」

 由香里は小さく息を吐いて続ける。

「遠い異国にいて気持ちが弱くなっていたせいもあるのかも。でも、とにかくそのとき、柳井の気持ちを受け入れてみようと思ったの」

 由香里は菜々の目を見て続ける。

「だから、姉のことはもう恨んでいない。今では柳井のように、どんな私でも受け入れようとしてくれる男性と結婚してよかったと思っているわ」

 その言葉を聞いて、菜々の目頭が熱くなった。由香里も目を潤ませながら言う。

「受け入れることから始まる愛もあるんだって知った。そうしたら、姉と私は違う形で結婚したけれど、たどり着いた想いは同じなんだろうなって思って。姉ともこんなふうに話をしたかったけれど、結局できずじまいだったわね……」