由香里が小さく肩をすくめた。
「それで、どうなったんですか?」
菜々の問いかけに、由香里が答える。
「当然、学校に通う気なんか起きなくて、パリをあちこち観光して遊び回っていた。そうしたらあるとき、ある大衆レストランが目についてね。普段なら行かないような下町のレストランよ。それでも漏れ聞こえてくる声が楽しそうで、思い切って入ってみたの。そうしたら、お世辞にもきれいとは言えない店内で、シェフが生き生きと料理しているのよ。彼らの料理を食べるお客さんも本当においしそうで楽しそうで。自宅やいつも行くレストランで目にする光景とは大違いだった。そのそき、料理ってこんなに喜ばれるものなんだって気づいたの」
そのとき、ドアがノックされて、受付の女性の声がした。
「コーヒーをお持ちしました」
「ありがとう」
由香里の返事を聞いて、ドアが開き、受付の女性がローテーブルにコーヒーカップを並べた。そして「失礼します」と一礼して出て行く。
「コーヒーでよかったかしら?」
由香里に聞かれて、菜々はうなずいた。でも、今はコーヒーを飲むより叔母と話がしたかった。由香里も同じ気持ちなのか、カップに手をつけずに話を続ける。
「それで、どうなったんですか?」
菜々の問いかけに、由香里が答える。
「当然、学校に通う気なんか起きなくて、パリをあちこち観光して遊び回っていた。そうしたらあるとき、ある大衆レストランが目についてね。普段なら行かないような下町のレストランよ。それでも漏れ聞こえてくる声が楽しそうで、思い切って入ってみたの。そうしたら、お世辞にもきれいとは言えない店内で、シェフが生き生きと料理しているのよ。彼らの料理を食べるお客さんも本当においしそうで楽しそうで。自宅やいつも行くレストランで目にする光景とは大違いだった。そのそき、料理ってこんなに喜ばれるものなんだって気づいたの」
そのとき、ドアがノックされて、受付の女性の声がした。
「コーヒーをお持ちしました」
「ありがとう」
由香里の返事を聞いて、ドアが開き、受付の女性がローテーブルにコーヒーカップを並べた。そして「失礼します」と一礼して出て行く。
「コーヒーでよかったかしら?」
由香里に聞かれて、菜々はうなずいた。でも、今はコーヒーを飲むより叔母と話がしたかった。由香里も同じ気持ちなのか、カップに手をつけずに話を続ける。


