シンデレラに恋のカクテル・マジック

 由香里の言葉に菜々の胸がじいんとする。

「本当ですか?」
「ええ、ぱっちりした二重の目がとくに。さ、どうぞお掛けになって」

 ソファを勧められ、菜々は二人掛けのソファに叔母と隣り合って座った。

「よく訪ねてきてくれたわね」
「は、はい。でも、会っていただけるかどうか……自信はありませんでした」

 菜々の言葉を聞いて、由香里がふふっと微笑んだ。

「私がお姉様の代わりに柳井と結婚したからね?」
「はい……母のことを……恨んでいるのではないかと……」

 菜々がおそるおそる言うと、由香里は菜々の手を撫でながら言う。

「最初はね……やっぱり恨んだわ」
「そうですよね……」
「だって、私、あのときまだ二十一歳だったもの」

 由香里が当時を思い出すように目を細めた。

「お姉様が駆け落ちして、お父様がひどく怒って……私に柳井と結婚しろって言ったの。まだ大学三年生だった私は、婚約だけはさせられたけど、どうにかして柳井に嫌われようと、ことごとく悪いことをしたわ。良家の令嬢がしてはいけないようなことをね」

 由香里がいたずらっぽく笑って続ける。