シンデレラに恋のカクテル・マジック

「ほ、本当に申し訳ありませんっ」

 菜々は深々と頭を下げた。

「いや、こっちこそキミが飲める以上に飲ませてしまったみたいで、悪かったね」

 永輝に言われて、菜々は顔を上げた。ベッドの上では正視できないほど艶っぽい表情だった彼が、真面目な顔をしている。きっと彼だって初めて来た客が店で酔いつぶれて寝てしまったのだから、ひどく困ったはずだ。

「すみません。実は私、お酒は二年前、二十歳になったときに一度飲んだだけで、それ以来、飲んだことがないんです。でも、昨日はすごく楽しい雰囲気で、一杯目もおいしくて飲みやすかったから、つい飲めるふりをしてしまって……。自分がお酒に弱いなんて知らなくて、本当にご迷惑をお掛けしました」
「いいよ、迷惑だとは思ってないから。それじゃ、気分を変えて朝食でも食べようか。仕事があるなら急がないといけないね」
「あ、でも、泊めていただいたうえに朝食までごちそうになるのは申し訳ないですから、私はこれで」

 菜々が恐縮して言うと、永輝がいたずらっぽく笑って言う。

「せっかく用意した朝食を食べずに帰ってしまう方が申し訳ないと思わない?」
「でも……」