菜々はしゅんとなった。そんな彼女の肩に彼がそっと片手をのせる。
「そんなにがっかりしないで。明日になれば社長の機嫌も直るかもしれません」
「そうでしょうか?」
菜々が見上げると、一臣はにっこり微笑んだ。
「菜々さんは気にせずに部屋でくつろいでください。衣類の用意は吉村さんにお願いしておきます。おじい様と話した後で僕が持って来ますから、それまではゆっくりしていてください。いいですね?」
一臣に目を覗き込まれて、菜々はうなずいた。今菜々が頼れるのは彼しかいない。
「わかりました」
一臣がうなずいて部屋から出て行った。菜々は広いゲストルームの壁際に置かれた応接セットのソファに腰を下ろした。革張りの上質な生地が、かえってくつろげない。菜々は永輝に戻れなくなったことを伝えようと携帯電話を取り出した。アドレス帳の永輝の番号を呼び出して彼にかける。呼び出し音が六回、七回と鳴ったが、それでも応答はない。
(出られないのかな?)
朝はワンコールで出てくれたのに、と思ったとき、ようやく電話がつながる音がした。
「もしもし、永輝さん?」
「そんなにがっかりしないで。明日になれば社長の機嫌も直るかもしれません」
「そうでしょうか?」
菜々が見上げると、一臣はにっこり微笑んだ。
「菜々さんは気にせずに部屋でくつろいでください。衣類の用意は吉村さんにお願いしておきます。おじい様と話した後で僕が持って来ますから、それまではゆっくりしていてください。いいですね?」
一臣に目を覗き込まれて、菜々はうなずいた。今菜々が頼れるのは彼しかいない。
「わかりました」
一臣がうなずいて部屋から出て行った。菜々は広いゲストルームの壁際に置かれた応接セットのソファに腰を下ろした。革張りの上質な生地が、かえってくつろげない。菜々は永輝に戻れなくなったことを伝えようと携帯電話を取り出した。アドレス帳の永輝の番号を呼び出して彼にかける。呼び出し音が六回、七回と鳴ったが、それでも応答はない。
(出られないのかな?)
朝はワンコールで出てくれたのに、と思ったとき、ようやく電話がつながる音がした。
「もしもし、永輝さん?」


